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ぬらりひょんの孫の非公式ファンサイトです。 基本、鴆×夜若の小説ブログになります。 管理人・蜂蜜林檎のつれづれなるままに、 萌えをぶつけていくだけのブログです。 ・鴆×夜若、大プッシュ☆ ・鴆は攻めだぁー! ・夜若は受けだぁー! ・全てのことよ、ドンと来い! な方のみ、ご覧ください。 非難・中傷・荒らし、おことわりです。

   
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ザ!一晩、クオリティ!!
え~。
いつものようにバイブル(という名の薄くて高い本。)
を読んでいて。
つい・・書いてしまいました。
前々から書こうと思っていた、
リクオ音楽ネタです。
なんじゃそれ?とゆー感じなのですが、
発端は、リクオ様は音楽って聴くのか??
いや、むしろ聴いても今時の曲をipodで聴くようなことはしないんじゃないだろうか?
てゆーかコンボとかなくね??
とゆー妄想からいたったお話です。
気になるよね!!そこんとこ!!
てな感じです。
どんとこい!!という心が太平洋な方、
続きを読む。からどーぞ!!


「恋の歌。」
 






リクオの部屋からその音はもれてきた。

ピン・・ピン・・ピィン・・

澄んだ音は涼やかに屋敷に広がってゆく。
・・三味線の音だった。

話は数日前にさかのぼる。
その日は組の全員で蔵の大掃除の日だった。

わいわいがやがやと小妖怪たちのはしゃぎ声と
それを怒るカラス天狗。
そんな眺めを苦笑いをこぼしながら
リクオは見ていた。

「おお、なつかしいのう。」
通りがかったのだろう、陰干しをしているがらくたの山を
覗き込んでいるぬらりひょんがいた。
「おじいちゃん。何か珍しいものでもあった?」
その手元を覗き込んでみるとぬらりひょんの手には・・
「これ・・三味線?」
三味線なんてものは現代っこのリクオは教科書や本などでしか見たことがない。
でも、ぬらりひょんの手にあるそれはやはり三味線にしか見えなかった。
「わしが昔、趣味でひいておったのよ。
なつかしいのう。こんなところにあったのか。」
「じいちゃんが懐かしいってゆうくらいなんだから、
つくも神にくらいなってるかも。
へー。はじめて見たよ三味線なんて。」
ぬらりひょんに手渡されたそれは意外に重く、腹の部分に桜の模様が彫られていてとても綺麗だった。
リクオがものめずらしくしげしげと三味線を眺めていると
「それ。まだ弾けるんですかね?」
なんていいながらバチを持った毛倡妓が現れた。
「バチも仕舞ってありましたよ。」
ほら、こんな所に。
なんていうのは首無だ。その手には小さな箱が握られている。
「どれ?」
ぬらりひょんがバチを握り、三味線を抱えて小さく鳴らしてみる。
ピィン。・・ピンピン・・
澄んだ音がこだました。
「すごい。綺麗な音なんだね。」
初めて聞くその音はまるで水が波紋を響かせるようなそんな音がした。
「気に入ったならくれてやるぞい。
だれぞなりと曲は知っておるだろうしの。」


そんな経緯があって、今その三味線はリクオの腕の中にあった。
ピィン・・ピン・・・
まだまだ楽曲とも呼べないそれは数日前から屋敷の中から響くようになった。
あるいは部屋から、あるいはお気に入りの桜の枝から。
屋敷のあらゆるところからその涼やかな音色は聞くものを楽しませた。
昼は学校があるのでそんなことはないのだが夜になり、夕飯も済ませたころになると響きだすのだからどうしようもない。
屋敷の妖怪たちはほほえましい気分に浸りながらその音を聞くのだった・・・。

それから、さらに数日。
その日は鴆の屋敷で酒を酌み交わしていた。
「そういやリクオ。」
「なんだ?」
「三味線にハマッたんだって?」
げほっ!
それを聞いたリクオが思わず咳き込んだ。
「・・・・・誰に聞いたんだよ。それ。」
牛鬼だと鴆は言った。
「牛鬼は雪女から聞いたらしいぜ。毎晩夜になるとリクオが三味線を弾くんだって。
それが日増しに曲になっていくからさすがリクオ様ってな。」
別に隠していたわけでもこっそり弾いていたわけでもないけれど。
「別に聞かすつもりで弾いてたんじゃねぇよ。
ただ、珍しくて・・」
「なぁ。・・俺にも聞かせてくれよ。」
その言葉にリクオの眉がよった。
「はぁ?まだ・・曲にもなってねぇぜ?練習中だし。
まだ誰かに聞かすような腕じゃねえよ。」
その言葉に鴆がリクオの腕をそっと握る。
優しい目で見つめられて、
一度くらいいいじゃねえか。聞くのは俺だけなんだしよ。
とそっと言われれば嫌とも言えなくて・・

次に日の夜にはリクオは三味線を手に蛇ニョロの上で風を受けていた。
ピン・・ピィン・・・ピンピン・・・
涼やかな音色が夜の薬鴆堂に響いた。
ピンピン・・ピィン・・・ピン・・
リクオの腕の中から聞こえるその音に鴆は目を閉じて聞き入っている。
ピン・・ピン・・・ピン。
「・・・うめぇもんじゃねえか。さすがだな。」
ほうとため息をひとつついて、鴆が盃を傾けながらそう言った。
「どうさすがなのかしらねぇが。」
照れ隠しなのだろう。
鴆の持つ盃をひったくってリクオが言う。
ほんのり頬が酔った様に赤くなっていた。
「その曲、誰に教わったんだ?」
毛倡妓だ。リクオがそういうと鴆が合点がいったとうなづいた。
「その曲、恋の歌だぜ。ずっと愛しいあなたのおそばにいさせてくださいって。」
リクオの目が驚きに見開いた。
「昔、親父が同じ曲口ずさんでてよ。そんな歌詞だったぜ。知らずに弾いてたのか?」
もちろん知らなかった。
恋の歌を自分は毎晩弾いていたのか。
リクオの顔がみるみるうちにさらに赤く染まって、しまいに耳まで赤くなった。
その腕を軽くひっぱっると鴆の腕の中にすっぽり納まった。
「また弾いてくれよ。俺のために・・さ。」
真っ赤になったリクオの頬に口付ける。
胸に顔を埋めるリクオが気が向いたらな・・とつぶやいた。
いとしくていとしくて。
可愛いといったらまたきっと怒るだろうから。
鴆はそっと恋人の唇をふさいだのだった。

 

 

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