ぬらりひょんの孫の非公式ファンサイトです。 基本、鴆×夜若の小説ブログになります。 管理人・蜂蜜林檎のつれづれなるままに、 萌えをぶつけていくだけのブログです。 ・鴆×夜若、大プッシュ☆ ・鴆は攻めだぁー! ・夜若は受けだぁー! ・全てのことよ、ドンと来い! な方のみ、ご覧ください。 非難・中傷・荒らし、おことわりです。
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というわけで誕生日記念小説をUPしていきたいと思います。
まずは前夜祭ということで前半部分をUPします。
ちょっとお話が長くなっちゃったので・・・
大変自分の趣味に走ったお話です(笑)
広いお心の方、カムヒァー!!
ではでは、続きを読むからどうぞ!!
リクオ花魁騒動記
障子を開ければそこには一人の女。
むしろ花魁というべきか。
艶やかな蝶や花の咲き乱れる白地の着物。
同じく蝶と桜の模様が美しい緑の着物。
中に着ているのは赤い襦袢。
牡丹のかさねの色目がよく映えた。
紅をひいた唇。
結い上げた銀の髪。
意思の強そうな真紅の瞳・・・
そこまで思ってから唐突に気がついた。
「リクオぉぉぉーーー!!!???」
「よぉ、鴆。」
座布団に座ったままリクオが(本人は)呑気な様子でこちらに気がついた。
「なっ・・なんだ!?その格好!!てか・・・本当にリクオか!!?」
「オレ以外の誰に見えるんだ?」
「見えるから聞いてるんだろうが!」
驚きすぎて吐血しそうな鴆をなだめるのに約10分ほどかかった。
「花町に潜入しておとりだぁ?」
「そうだ。」
ことのあらましはこうだった。
化け猫横丁の隣には規模は小さいが花街と呼ばれるところがある。
もちろん、人間は入ってこられない、化け猫横丁と同じようなもので
そこの遊女たちや女将たちなども全てが妖。
やってくるのも当然、妖だ。
だが、みな決して売られてきたりしたわけではない。
色の強い・・いってみれば花を売るのが畏れである妖怪たちが存在する。
夢女などがそうだろう。
そういった者たちをまとめ上げ、作られた町が妖怪の花街だ。
そことつながりを持っているのが一番街の良太猫だった。
街を作るのに手を貸したり、そもそも発展させるのに一役買っていたり。
その良太猫が花街で起きている事件を本家に持ち込んだ。
客の相手をした遊女たちが姿を消す。
街から出たわけではない。
それは化け猫組に仕える猫たちに確認してある。
羽振りのいい、二人組みの男たちと夜をともにした女たちが
そのまま、翌日になっても店へと戻らないのだ。
そのあからさまに怪しい二人組を調べる・・のが一番の策なのだが、
いかんせん、化け猫組には武闘派と呼べるものがいない。
もし、大立ち回りにでもなったら怪我ではすまないだろう。
「で、おとりを使うことにしたんだが・・」
遊女の姿のままのリクオが腕組をして言った。
「だからって総大将直々におとりになんてならなくてもいいだろうが。」
「いや・・最初の候補は首無だったんだが・・・」
リクオは部屋の隅でちいさくなっている首無をみて、
「・・・・・首がなくてな。」
と言った。
「・・・そりゃそうだ。」
しかも首無は花街で少しばかり有名だ。
顔が割れている、といいなおしてもいい。
「次に黒が候補になったんだが・・・」
おなじく、部屋の隅で小さくなっている黒田坊に目をやる。
「これが・・どうも・・うまくいかなくてな。」
それはそれはなんだかとても胡散臭い遊女ができあがったそうな。
「・・ダメだな・・それは。」
「青は論外。で、残ったのがオレだったわけだ。」
「いや、毛倡妓と雪女がのこってるだろうが!!」
「もちろん、毛倡妓は連れて行く。だが、相手は二人組だといったろう?」
「じゃあ、もう一人は雪女でいいじゃねぇか!!」
そこで、リクオがため息をひとつついた。
「つららがか?」
そういってリクオと鴆が同時に雪女を見つめて・・
目線を戻す。
《これがか?》
リクオの目線が鴆へ移る。
《いや、これはないな。》
鴆がリクオと目線を合わせたまま首を振る。
そして、もう一度雪女に視線を戻す。
《ないな。》
さらに男性陣たちの目線が雪女へと集まり、
《ないない。ないないないない。》
男性陣たちは黙って首を横に振る。
「ちょっとぉ!なんですか!!?そのアイコンタクトはぁー!!」
毛倡妓がまぁまぁなどとなだめてみるがまぁ雪女が怒るのも無理はない。
怒りで涙目になっている雪女にスッとリクオが顔を近付けた。
「・・・つらら。」
「!・・はっ、はい・・・」
雪女としては怒りも吹っ飛ぶゆゆしき事態だ。
こんなにもリクオ様のお顔が近くにあるのだから。
「つららにこんな(あらゆる意味で)危ないマネをさせるわけねぇだろう?
ウチで(おとなしく)まってちゃくれねぇか?」
ところどころの妙な間は気になるがいつも美しい主が、
さらに紅をひいた魅惑とまで言わせるような美貌でささやかれればもう、
「・・・はい・・・・・wwwww」
としか答えられないワケであって。
そんなやりとりを
《リクオ(様)・・・怖いお人だ。》
などと見守るしかない側近と義兄弟なのだった。
「そんなに気になるなら、お前も来るか鴆?」
「え”?」
・・・・・・・・。
妙な間が流れる。
水を差したのは首無だった。
「花街の遊女たちとは顔なじみですもんね~ぇ?鴆の兄貴♪」
「ちょ!馬鹿!!首無・・・」
「へ~ぇ・・・。面がわれてるんじゃぁしょうがねぇなぁ??」
リクオがこめかみをかすかにひくつかせながら言う。
慌てたのは鴆だ。
「ちょ!!違うって!!昔の話だ!昔の!!」
「ふ~ん・・・。」
さっきとはずいぶんと雰囲気の違うリクオを止めたのは意外にも毛倡妓だった。
手をパンパンとならして二人の間に割ってはいる。
「はいはいはーい!リクオ様ぁ~痴話げんかはそれくらいにして、そろそろ行かないと
例の二人組が来る時間ですよ!」
そういってリクオを立たせると朧車にさっさと乗せてしまった。
そんなこんなでリクオの花街へ潜入は決まったのだが、
本家に残された鴆は正直、気が気ではなかった。
どんな相手でも、リクオのことだ。
あっというまにのしてしまうだろう。
それでも不安はつのる。
そんな鴆をふっきるように朧車は空へと遠のいていったのだった。