ぬらりひょんの孫の非公式ファンサイトです。 基本、鴆×夜若の小説ブログになります。 管理人・蜂蜜林檎のつれづれなるままに、 萌えをぶつけていくだけのブログです。 ・鴆×夜若、大プッシュ☆ ・鴆は攻めだぁー! ・夜若は受けだぁー! ・全てのことよ、ドンと来い! な方のみ、ご覧ください。 非難・中傷・荒らし、おことわりです。
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説明文だったでしょ??
ここで軽くMY設定を暴露します。
・ぬらりひょんの血筋はサキュバス的な妖怪。(ここ、大事。)
・じじい様が若い。
・乙女ちゃん、生存。
・都合上、若菜ちゃん、妖怪。
・本家のほかの妖怪たちはリクオが生まれたことを知ってます。
・リクオ様は意外なところで初心です。
・細かいところはツッコまない感じで。
他にもありますが・・・まぁ・・おいおい。
細かいところは気にしちゃだめ!!
というわけで、
三話目をUPしたいと思います。
四話構成にしたといいましたが、
なんかどんどん、+αが増えて仕方がありません。
後日談として色々書くかもです。
では、話が分からなくなるので、ちゃんと
1・2話を読んでから三話目をドウゾ!!
P・S コメ&声援、ありがとございます~!!励みにがんばります!!
リクオ・男娼パロ
「白い椿 3」
確かめなければならない。
リクオの生まれのこと。
リクオのこれまでのこと、これからのこと。
そして・・自分の抱く想いのこと。
その夜、鴆はリクオの待つ店へと向かった。
リクオはショックを受けないだろうか?
もしくは全てを知っているのだろうか?
だが、店に着いた鴆を待っていたのは、
今にも泣きそうな目をした、
いつにないリクオの姿だった。
部屋に着いたとたん、
リクオは鴆へとすがりついた。
肩口に顔を押してつけては、涙をこらえているようだった。
とりあえず、取り乱すリクオをなだめて自分の膝へと座らせる。
「・・・鴆。」
先に口を開いたのはリクオだった。
「俺・・俺、身請けされるんだ・・。」
「!?」
「相手は・・一度しか相手にしなかったヤツだけど、
店主に金を積んで・・俺を屋敷に連れ帰って囲うって。」
そいつの積んだ金子の額はあまりにも高額で、
店主は欲に目がくらんだらしい。
ふっかければいくらでも金を出した。
「あんなヤツに囲われるなんて、・・それに・・・。」
そこまで言ったリクオは深く息を吸い込んだ。
「もう・・鴆に会えないなんて、嫌だ。」
「リクオ・・・。」
リクオはぽろぽろと涙を流した。
こんなリクオは初めて見る。
あまりにも弱くて、儚くて、愛おしかった。
「リクオ。聞いてくれるか?」
リクオの頬伝う涙をぬぐいながら鴆は言った。
今、言わなければ一生伝わらないかもしれない。
「リクオ。俺はお前を愛してる。」
はっとリクオが顔を上げた。
「本気でだ。お前さえいてくれれば
俺はどんなことにだって耐えられる。
好きなんだ。お前のことが。」
また、リクオの頬を涙が伝った。
でもその顔にはもう憂いはなく、
先ほどとは違う涙だと鴆に伝えている。
「鴆・・・。」
大きな赤い瞳がじっと鴆を見つめる。
その言葉を何度も思い返しているようだ。
「・・・本当に?」
「本当だ。」
「こんな俺に、愛してると言ってくれるのか?」
「ああ。」
リクオがぎゅっと鴆の首に抱きつく。
耳に唇を寄せて、しかし震える声で言った。
「鴆・・俺は人間じゃない。」
顔を見られたくないと鴆の肩に顔を埋める。
「鴆が人間じゃないのは知ってる。
そうじゃなきゃ、毎晩俺のところになんてこれないから。
でも、鴆は俺が人間じゃなくていいのか?」
鴆はそっとリクオの髪を撫でた。
「・・・もちろんだ。それにお前が人間じゃないこともちゃんと知ってる。」
知ったのはついさっきのことだけれど。
「人間とかそうじゃないとかそんなことはどうでもいい。
お前はお前だ。俺の愛したリクオだ。」
肩に埋めていた顔をやっと上げて、
リクオは鴆の目をまっすぐに見つめる。
生まれて初めて、何かを信じた・・そんな目だった。
二人の唇がそっと重なる。
リクオ頬をもう一粒、涙が滑り落ちた。
「あ・・あっ・・。」
組み敷いたリクオが声をあげる。
「鴆っ・・ぜん・・・鴆っ。」
リクオが何度も己を呼ぶ。
その言葉には確かに鴆への情があふれていて。
鴆はただ夢中でリクオを掻き抱いた。
「好き・・鴆・・・俺もっ・・あっ・・鴆が好きっ・・。」
突き上げられながら切れ切れにリクオが囁いた。
愛しい愛しいと身体で心で、言葉でそれを伝えようとする。
「・・・リクオっ!」
強く、リクオを抱きしめる。
甘いリクオの香りがして鴆は口付けを深くした。
「あっ・・ああ!・・鴆・・はぁっ・・あんん!・・。」
喘ぎながら乱されながら、しかしリクオの目は
ひたむきに鴆を見つめていた。
「リクオ・・・愛してる。」
二人は愛し合っている事実と
お互いの想いを実感しながら、絶頂へとかけ上った。
鼓動が静まり、呼吸も普段のそれへと戻って。
鴆はずっと腕の中で眠るリクオの髪を撫でていた。
翌朝。
といってもまだ空には月が昇っている。
目を覚ましたリクオは窓際にいる鴆を見つけた。
「・・・鴆?」
「ああ。・・起こしたか?」
ふるふると首を横に振り、リクオがそっと鴆の腕の中へと収まった。
「・・リクオ・・。考えたんだが、店主を呼んできてくれないか?」
「・・・?」
部屋へやってきた店主は機嫌が悪いのを隠す気もないようだった。
「お客さん。こいつはね、もうこいつだけの身体じゃないんですよ。
いくら毎晩こられても・・・」
そこまで言った店主の言葉を鴆が一言で止めた。
「リクオは俺が身請けする。」
「・・・鴆!?」
驚いたのはリクオだ。
「言っただろ?俺を身請けするヤツがいるって!!」
「ああ。聞いた。」
驚くリクオよそに鴆は話を続けた。
「店主さんよ。リクオの身請け話なら聞いてる。
リクオを身請けしようってその野郎はいくらお前に渡した?」
「お客さん・・何言ってんです?いくら羽振りがいいからって・・・」
「いくらだ。」
店主が答えた額は屋敷のひとつは有に建つであろう、そんな額だった。
「・・・。」
その答えにリクオが唇を噛んでうつむく。
「・・・・・俺はその倍出す。」
「!?」
鴆の口から出た言葉にリクオも、そして店主も目をむいた。
「倍!?そんな馬鹿なことを・・出せるわけがっ・・・!!」
店主が思わず声を荒げる。
鴆はとなりにいたリクオの肩をぐいと引き寄せた。
「こいつのためなら惜しくもなんともねぇ。
それとも何か?人間相手じゃねぇと商売はできねぇか?」
言った瞬間、ばさりと音を立て鴆の背に翼が生えた。
羽を散らし、瞳が夜目にも分かるほどに萌黄色に光った。
「ひぃっ・・・!!!」
妖怪の本性を見せた鴆に店主が腰を抜かす。
「明日の一番に店に金を送ってやる!文句はねぇな。
リクオは俺が貰う。」
「・・鴆。」
突然のことに理解が追いつかない。
けれど。
「リクオは今日から俺の物だ。」
「・・・うん。」
己は鴆のものになったのだ。
身も、心も。全てが鴆のものになった。
この時の幸福をリクオは生涯忘れないだろうと思った。
日が昇ったころ。
リクオは鴆の屋敷の前にいた。
というか、屋敷の入り口につったっていた。
思わず間抜けな声が出てしまう。
そこは思った以上の立派な屋敷で、
表には「薬鴆堂」と書かれていた。
「ここが俺の屋敷だ。リクオ。
んで、今日からお前の家だ。」
そんな堂々と言われても。
あまりのことに実感もわかなければ理解もできなかった。
屋敷に入るとなんと着物を着て、二本足で歩く蛙がこちらへ走ってきた。
「鴆さま!また朝帰りを!!さっきは急に本家と連絡を取れなどおっしゃるし!!
一体何事ですか!!」
蛙がしゃべっている。
しかも鴆に説教している。
よく見れば、その奥にも鳥のようなものや動く壷などもいる。
自分たち以外にも人間ならざるものは存在するとは思っていたが。
「ほんとに・・これ全部・・?」
そのつぶやきを拾って鴆が笑い飛ばした。
「ははっ!リクオ、お前こんなで驚いてどうするよ。
本家に行きゃ、もっと妖怪はいるし。
俺はは妖怪専門の薬師だぜ?」
え?
そんな話は聞いていない。
薬師??
「医者!?お前が!?」
「おう。悪いか?」
「悪くはねぇけど・・」
妖怪の存在よりもそっちの方がびっくりした気がする。
「それより、鴆さま。そちらの御仁は?」
ぺたぺた着いてきた蛙が後ろから尋ねた。
「こいつはリクオだ。
まぁ、これから色々と言わなきゃいけねぇことはできるが、
とにかく、今日からここで暮らす。
部屋はいいぞ。俺の部屋を使うから。」
そういって、鴆は困惑しっぱなしのリクオを自室へとひっぱっていったのだ。
白の襦袢に黒の長着。
いつも羽織っていた女物の着物は脱いで、
藍色の羽織を肩に羽織る。
鏡に写る自分はいつもと違って
まるで生まれ変わった心地だった。
「リクオ。着替え終わったか?よく似合うじゃねぇか。」
嬉しそうに鴆がリクオの頭を撫でた。
「なんか・・おちつかねぇんだけど。
これ、すごいいい着物じゃねぇか?いいのか?俺が着て。」
リクオは落ちつかげに自分を見下ろしている。
「遠慮なんかするなよ。
いつもの格好も可愛くて好きなんだけどな。
うちで暮らすんだ。こっちの方がいいだろ。」
ついていけないことが怒涛の勢いでおきてゆく。
そんな風に思ったリクオが
この程度は序の口だったと思い知るのは、
まだ先のことだった。